Japanische Klassiker mit Furigana
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しろあり
白蟻
小栗 虫太郎
Lesen Sie 白蟻 (しろあり) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.099 Zeichen · 106 Bildschirme
滝人は、そうして勝利の確信を決め、眼前に動けなくなった獲物があるのを見ると、それを弄びたいような快感がつのってきた。
「それが時江さん、貴女からはとうてい取り離せない、精神的な病気なのです。貴女はそれを聴くと、あの仔鹿の胴体で、一つの文字を描いてしまったのです。なぜなら、そういう数形式型の人達について、ここに面白い話がありますわ。それはブリッジの名手と云われた、クヌト・ライデンの逸話なのです。私は、少しもそのゲームのことについては知りませんけど、なんでも終り頃になって、スペードの1で、勝敗が決まってしまうような局面になったのですが、もちろんライデンにはその札はないので、むしろ自暴気味だったのでしょう、もし、俺が持っているんだったら、心臓を刳り抜いてみせる――と云ったそうなのです。すると、その一座の一人が、ふと前にある、置灯の台に眼をやったのを見ると、そこでライデンは、ポンと札を卓上に投げ捨て、君が勝ったと、その一人を指摘したという話があります。なぜなら、スペードから心臓の形をとってしまえば、残ったものが、てっきり卓子灯の台としか思えないじゃありませんか。