Japanische Klassiker mit Furigana
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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
Lesen Sie 白髪小僧 (しらがこぞう) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.770 Zeichen · 194 Bildschirme
「馬鹿な。そんな事があるものか。都からここまでは何百里とあるものを」
と又紅矢は馬鹿馬鹿しくなって笑い出しました――
「ではその果物が美紅姫だと云うのかえ」
「イイエ。そうでは御座いませぬ。けれども悪魔の美紅姫はこの果物の直ぐ傍に居るという事で御座います」
「何、私の傍に」
と紅矢は思わずそこらを見まわしましたが、そこは丁度只ある森の中の橋の上で、あたりには人一人通らず極く淋しい処でした……と思う間もなくどうした途端か、お婆さんは不意に今まで大切に抱えていた果物の籠を、馬の上から取り落しまして――
「あれっ。大変だア」
と叫びながら、自分も一所に馬の上から転がり落ちて、周章て果物を拾おうとしましたが、生憎果物は橋板の上を八方に転がり出して、大方河の中へ落ちてしまいました。するとお婆さんは俄に泣き声を張り上げて――
「あれッ。大切な果物が皆河へ落ちた。王様へ差し上げる占の果物は皆流れて行って終う。ああ、勿体ない。勿体ない。あれ、取って下さい。取って下さい。誰も取ってくれなければ妾が行く」
とそのまま欄干に走り寄って、今にも飛び込もうとしました。これを見た紅矢は驚くまい事か、「お婆さん、危い」