Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ひゃくゆきょう

百喩経

岡本 かの子

Lesen Sie 百喩経 (ひゃくゆきょう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.474 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

小児得二大亀一喩

この辺で亀は珍らしかった。こどもはそれを捉えた。用心して棒切で押えて縄で縛った。

こどもははじめて見るこの爬虫類を憎んだ、石の箱のなかに首も手足もしまって思い通りにならない。ひっくり返せばそのままひっくり返って居る。こどものリズムとテムポが合わないもどかしい退屈な動物だ。

それにこどもはこの動物を危険な動物とも見た。なにしろ手足に爪が生えている。口には歯もある。危害を隠しているこの醜いものを殺して英雄になり度い気持ちがこどもに強く湧いた。こどもは勇気を揮って石を二つ三つ亀の上へ投げて見た。亀は死ななかった。

通りがかりの人があった。

「それは、水のなかへ入れるが宜い。一番早く死ぬ」

こどもにこう教えた。

(おとなというものは真赤な嘘をこどもに信じさせるときにいくらか自分もその気になるものだ。とうとう本当にその気になって仕舞うこともある。)

こどもは亀を池の中へ入れた。背中に模様のある石は一たん水の中に沈んでそれから浮いて水草の間に手足を働かした。

「やあ、苦しんでやがる」

惨虐な少年の性慾は異様な満足を感じた。

おとなの嘘から少年の中に綻びた性慾の赤い蕾は、やがてお町、鏡子、おふゆ、というような女に苦労をさす種となった。