Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくせん
百銭
宮本 百合子
Lesen Sie 百銭 (ひゃくせん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.892 Zeichen · 6 Bildschirme
憎らしいような面白いような気がこみ上げて来、盛りあげた銅貨をわざと足で崩す。
飽きると、私はその百銭を再び袋にしまい、歩調に合わせて膝にぶっつけザックリ、ザックリ鳴らしながら廊下を歩いた。その時はもう一人ではない。毛糸の手編靴下をはいた弟が二人、
「軍艦・軍艦・グンカノヘー。グンカン・グンカン・グンカノヘー」
と声高らかに合唱しつつ跟いて歩む、日露戦争が終ったばかり頃のことであったから。その百銭は、そうやって持って歩いて鳴らしているうちに、いつかどうかして失くなってしまうのが常であった。暫く忘れていてふと思い出し、いくら考えてもどうなったのか分らず袋のかげさえ見当らない。どうしただろうと母に訊くことさえ忽ちまた何かに紛れて忘れてしまうという工合であった。
〔一九二七年一月〕