Japanische Klassiker mit Furigana
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めらはかせのふしぎなはんざい
目羅博士の不思議な犯罪
江戸川 乱歩
Lesen Sie 目羅博士の不思議な犯罪 (めらはかせのふしぎなはんざい) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.493 Zeichen · 31 Bildschirme
自然他の連中とは口も利かない様な日が多かったのです。
その事件が起ったのは、今いううしろ側の峡谷なのですから、そこの有様を少しお話しして置く必要があります。そこには建物そのものに、実に不思議な、気味の悪い暗合があったのです。暗合にしては、あんまりぴったり一致し過ぎているので、僕は、その建物を設計した技師の、気まぐれないたずらではないかと思ったものです。
というのは、其二つのビルディングは、同じ位の大きさで、両方とも五階でしたが、表側や、側面は、壁の色なり装飾なり、まるで違っている癖に、峡谷の側の背面丈けは、どこからどこまで、寸分違わぬ作りになっていたのです。屋根の形から、鼠色の壁の色から、各階に四つずつ開いている窓の構造から、まるで写真に写した様に、そっくりなのです。若しかしたら、コンクリートのひび割れまで、同じ形をしていたかも知れません。
その峡谷に面した部屋は、一日に数分間(というのはちと大袈裟ですが)まあほんの瞬くひましか日がささぬので、自然借り手がつかず、殊に一番不便な五階などは、いつも空部屋になっていましたので、僕は暇なときには、カンヴァスと絵筆を持って、よくその空き部屋へ入り込んだものです。