Japanische Klassiker mit Furigana
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めらはかせのふしぎなはんざい
目羅博士の不思議な犯罪
江戸川 乱歩
Lesen Sie 目羅博士の不思議な犯罪 (めらはかせのふしぎなはんざい) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.493 Zeichen · 31 Bildschirme
だが、旅の男は、なかなか頓智のある人で、うまい方法を考えついた。彼は、その辺に落ちていた木の枝を拾って、それを刀になぞらえ、色々な恰好をして見せた。猿の方では、神様から人真似の本能を授けられている悲しさに、旅人の仕草を一々真似始めたのです、そして、とうとう、自殺をしてしまったのです。なぜって、旅人が、猿の興に乗って来たところを見すまし、木の枝でしきりと自分の頸部をなぐって見せたからです。猿はそれを真似て抜身で自分の頸をなぐったから、たまりません。血を出して、血が出てもまだ我と我が頸をなぐりながら、絶命してしまったのです。旅人は刀を取返した上に、大猿一匹お土産が出来たというお話ですよ。ハハハ……」
男は話し終って笑ったが、妙に陰気な笑声であった。
「ハハハ……、まさか」
私が笑うと、男はふと真面目になって、
「イイエ、本当です。猿って奴は、そういう悲しい恐ろしい宿命を持っているのです。ためして見ましょうか」
男は云いながら、その辺に落ちていた木切れを、一匹の猿に投げ与え、自分はついていたステッキで、頸を切る真似をして見せた。
すると、どうだ。この男よっぽど猿を扱い慣れていたと見え、猿奴は木切れを拾って、いきなり自分の頸をキュウキュウこすり始めたではないか。