Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
もうもくものがたり
盲目物語
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 盲目物語 (もうもくものがたり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.341 Zeichen · 148 Bildschirme
と申されましたので、「弥市、えんりょすることはないぞ」とすぐとのさまのおこえがゝりがござりました。さればわたくしとてもいまは何をか御辞退いたしましょう、これこそ自分ののぞむところと、さっそく三味線を手にとりまして、「君ゆゑなみだはいつもこぼるゝ」とれいの小歌をうたいました。「いや、いつもながら巧者なものだな、ではそれがしも弾いてみよう」と申されて、つぎには朝露軒どのがそのしゃみせんをおとりなされ、
滋賀の浦とて
しほはないが
顔の
ゑくぼは
十五夜の月
と、うたわれますので、わたくしそれをきゝながら、さてもおもしろい文句だわいと存じまして、みゝをすましておりますと、ところ/″\にながい合いの手がはいります。朝露軒どのはそこのところをいとのねいろもうるわしくおひきなされましたが、ふと気がつきましたのは、その三味せんのうちに二度もくりかえしてふしぎな手がまじっているのでござりました。さようでござります、これはわたくしども、座頭の三味線ひきのものはみなよくぞんじておりますことでござりますが、すべてしゃみせんには一つの糸に十六のつぼがござりまして、三つの糸にいたしますなら都合四十八ござります。