Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もうもくものがたり

盲目物語

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 盲目物語 (もうもくものがたり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.341 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

「弥市、どうしたのだえ」

と、そのときかさねてのお言葉に、

「はっ」

と申して、おど/\いたしておりますと、

「いっこう力がはいらぬではないか、もそっときつうもんでおくれ」

と仰っしゃるのでござります。わたくしは、

「おそれいりました」

と申しあげて、さてはいらざる取りこしくろうに手の方がおろそかになったかと、気を入れかえてせっせともんでおりました。なれどもきょうはとくべつにお肩がこっていらしって、おんえりくびのりょうがわに手毬ほどのまるいしこりがおできになっておりまして、もみほごすのがなか/\なのでござります。まあ、ほんとうに、これではさぞかしおつらかろう、こんなにおこりになるというのは、きっといろ/\なものあんじをあそばして、よるもろく/\おやすみにならぬせいではないか、おいたわしいことだわいと、お察し申しあげておりますと、

「弥市」

と仰っしゃって、

「お前、いつまでこのしろのなかにいるつもりなのだえ」

と、仰っしゃるのでした。

「はい、わたくしは、いつまでゞも御奉公をいたしておりとうござります。ふつゝかなものでござりますから、おやくにはたちませぬが、ふびんにおぼし下されまして召しつかっていたゞけましたら有りがたい