Japanische Klassiker mit Furigana
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もうもくものがたり
盲目物語
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 盲目物語 (もうもくものがたり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.341 Zeichen · 148 Bildschirme
さようでござります、わたくし、このみちをおぼえましたのは、べつにさだまった師しょうについたのではござりませぬ。どういうものか生来おんぎょくをきくことをこのみ、きけばじきにそのふしを取って、おそわらずともしぜんにうたいかなでるという風でござりまして、しゃみせんなぞもたゞおり/\のなぐさみにもてあそんでおりましたのが、いつしか身についた能となったのでござります。なれどもゝとよりしろうとの手すさびでござりまして、人にきいていたゞくほどの芸ではござりませなんだのに、つたないところがあいきょうになりましたものか、いつもおほめにあずかりまして、お前へ出ますたびごとにけっこうなかずけ物を下されました。まあその時分は、戦国のことゝて彼方此方にかっせんのたえまはござりませなんだが、いくさがあればそれだけにたのしいこともござりまして、殿様が遠く御出陣あそばしていらっしゃいますと、お女中がたはなんの御用もないものですから、つい憂さはらしに琴などを遊ばしますし、それから又、ながの籠城のおりなどは気がめいってはならぬと云うので、表でも奥でも、とき/″\にぎやかな催しがあったりいたしまして、そう今のひとが考えるほどおそろしい