Japanische Klassiker mit Furigana
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びざん
眉山
Lesen Sie 眉山 (びざん) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.141 Zeichen · 15 Bildschirme
「私ね、さっき本屋へ行ったのよ。そうしてこれを買って来たの。あなたのお名前も出ていてよ。」
ふところから、新刊の文芸雑誌を出して、パラパラ頁を繰って、その、僕の名前の出ているところを捜している様子である。
「やめろ!」
こらえ切れず、僕は怒声を発した。打ち据えてやりたいくらいの憎悪を感じた。
「そんなものを、読むもんじゃない。わかりやしないよ、お前には。何だってまた、そんなものを買って来るんだい。無駄だよ。」
「あら、だって、あなたのお名前が。」
「それじゃ、お前は、僕の名前の出ている本を、全部片っ端から買い集めることが出来るかい。出来やしないだろう。」
へんな論理であったが、僕はムカついて、たまらなかった。その雑誌は、僕のところにも恵送せられて来ていたのであるが、それには僕の小説を、それこそ、クソミソに非難している論文が載っているのを僕は知っているのだ。それを、眉山がれいの、けろりとした顔をして読む。いや、そんな理由ばかりではなく、眉山ごときに、僕の名前や、作品を、少しでもいじられるのが、いやでいやで、堪え切れなかった。いや、案外、小説がメシより好き、なんて言っている連中には、こんな眉山級が多いのかも知れない。