Japanische Klassiker mit Furigana
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いしころみち
石ころ路
田畑 修一郎
Lesen Sie 石ころ路 (いしころみち) von 田畑 修一郎 (たばたしゅういちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.254 Zeichen · 39 Bildschirme
宿屋の外へ出ると、そこは例の石畳の路だ。そこを爪先上りにのぼって行くと、上手から人影が三つ四つ下りてくる。話声で年配のおかみさんたちだとわかる。擦れちがいざまに顔をのけぞるようにして僕たちをまじまじと眺める。瞬間ぴったりと黙っているのだ。そしてやりすごしておいてきゅうにかたまって、夜目なのでよくわからないが袖でのどもとを隠すように前屈みになって、がやがや言いながら下りて行く。また前方から誰か来る。すぐ近くに来るまではそれが男だか女だかよくわからない。どの人影も擦れちがいざまに、透し見る様子をする。ところどころの角や軒下なんかに、二三人黒くかたまっているのもある。そういう人影は行くにしたがって多くなってきた。婚礼のある家の前あたりには、そこらの暗らがりにどこにでも一人や二人の人影が見えないところはない。みんなひそひそ話している。時々大きい声がするのは、子供がきゃっきゃっ叫ぶくらいのものだ。婚礼のある家は、雑貨店らしく、それらの品物を容れた棚が見える。店にはランプが一つともっているきりで、その下で赭ら顔のでっぷり肥った男が袴をはいて坐って、時々表の方の人影を意味ありげな笑いを含んだ眼で眺めている。