Japanische Klassiker mit Furigana
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いしころみち
石ころ路
田畑 修一郎
Lesen Sie 石ころ路 (いしころみち) von 田畑 修一郎 (たばたしゅういちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.254 Zeichen · 39 Bildschirme
民さんと昌さんとは仲よしだとばっかり思っていたが、日がたつにつれそうでないことがわかった。時々、夜になってあたりの寝しずまったころ、ふいに庭の向うの小屋から、二人の争う声が聞えた。民さんが力ずくで昌さんを苛めるらしい。何か揉み合うような音も聞える。昌さんが「あーア、あーア」という引っ張った悲しげな声をたてる。昌さんは何かといえば、たとえば牛の綱を持たせられたりすると、よほど牛が恐いとみえてこの声をたてる。彼の唯一の抗議のしかただし、また防禦でもあるらしい。
一度、僕はこの二人が放牧に出かけるのについて山へ上ったことがある。それはずいぶん高い場所だった。そこでも二人の争いを見た。昌さんは隙を見て脱けてかえろうとする、民さんはそうさせまいとする。あげくは揉み合いになったが、民さんは小柄だが力があるのだろう、くるりと昌さんを足でからみ倒して馬乗りになり、いきなり昌さんの肩から衣物を脱がせて、むやみとその胸のあたりを抓るのか引っ掻くのか妙な折檻をする。昌さんの胴の皮膚にはみるみるみみず腫れができた。それは、ただ帰えさないための動作というよりは、もっと執拗なつかみ合いだった。