Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いしをなぐるもの
石を投ぐるもの
宮本 百合子
Lesen Sie 石を投ぐるもの (いしをなぐるもの) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.052 Zeichen · 9 Bildschirme
この一事件は、猶予という形で落着したのであったが、考慮ある人々は、この一事件が暗示しているところが、どんなに深刻であるか、今日なおしばしば思いめぐらしているであろうと思う。
全く不幸な災難としかいいようのないこの事件が、先ず法律的処罰の対象となり得るということに一驚したのは、私だけではなかったろう。検事という職務の官吏が、みんな自家用自動車で通勤してはいない。弁当の足りないことを心のうちに歎じつつ、彼等も人の子らしく、おそろしい電車にもまれて、出勤し、帰宅していると思う。官吏の経済事情は、旧市内のやけのこったところに邸宅をもつことは許さないから、多数の人々は、会社線をも利用して、遙々とたつきのためにいそしんでいるであろう。良人であり父親であるこれらの官吏たちが、わが妻、わが子をつれてたまの休日にいざ団欒的外出と思うとき、第一、そのつつましいたのしさをうちこわすものは何だろうか。交通地獄の恐怖である。検事局と書いた木札を胸にかけて、乗ろうとする粗暴な群集を整理するわけにもゆかない。一私人として立てば、やはり我身をもみくしゃにされ、妻を顧みて「おい大丈夫か」