Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いしがめのこと
石亀のこと
佐藤 垢石
Lesen Sie 石亀のこと (いしがめのこと) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 996 Zeichen · 2 Bildschirme
鮎は、毛鈎や友鈎で掛けるばかりでなく、餌に食いつくのは、誰も知っている。
私が少年のころ、父と共に利根川で用いていた毛鈎は、播州ものの甚だ粗末な出来であった。近年のように加賀鈎や土佐鈎のように精巧のものは、見たこともなかったのである。だから、毛鈎で若鮎を釣るのに、必ず餌をつけたものだ。
最も広く用いられたのが、魚の蛆であった。空鈎を水中へ流しても釣れないが、蛆を餌につけると、よく釣れた。次に、藻蝦の肉を餌に用いた。藻蝦のくびを取り去り、殻の上から二本の指先で押すと、肉が飛び出す。それを鈎へつけると、若鮎は争ってそれを食った。若鮎は、遠く河口から上流さして遡りくる途中、藻蝦を常食にしていたためかも知れない。
蛆も藻蝦もないときには、石亀を用いた。石亀は、川虫の一種である。水際の小石の上をさらさらと流れる浅い瀬に、小砂を長さ一分五厘くらいの長さの筒にまとめて、その中に棲んでいる青灰色の細長い小虫である。これも、若鮎の好物である。これを鈎先にさしても、よく食いついた。魚釣る餌には、誰でも苦労するものだ。
後年、相州小田原の酒匂川へ遊んだとき、土地の釣り人が道楽に処女の髪の毛を用い、たなご鈎ほどの小さな鈎に、なにか餌をつけて浅瀬で若鮎を釣っているのを見た。