Japanische Klassiker mit Furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme
と阿賀妻は、相手の顔を正面に見つめてそう云った。
堀大主典は首をのばした。話の内容がすぐには飲みこめなかった。
「明日落札するという税庫の――」阿賀妻は説明しかけた。
「あ、あれですか? いそいで入札して下さい」
「堀さん――」と阿賀妻は冷たく呼んだ。急に態度を改めて役人の前に立ちふさがるようにした。その配下のものが気負い立つのを彼は尻眼にかけ、足許の砂を蹴りつけながら云った。「それで済むなら、人数をそろえて乗りこみは致しませんよ、われらに取ってはこれは生死の問題でした、くどくは云わない、是非われらに落札すると約束なさい」
「是非?――」と、堀は口のなかで味うように繰りかえした。そして阿賀妻のうしろに控えた彼らの家中を見やった。厳然と身構えをした彼らは目をそばだててこちらを睨んでいた。もはや視線が出あっても避けようとはしなかった。
阿賀妻はそれを釘づけるように云った。
「そう、是非――それからもう一つ」
「立ちばなしも出来ぬが」
「お伴しましょう」と阿賀妻はおっかぶせた。
彼はふりかえって家中のものに指図した。
「お聞きの通り、明日から税庫の建築にかかるのであるから、門田どの、松岡どの――は、その、先程のあれをお願いいたしますぞ、あとのことはご心配下さるな、夜も更けたゆえこの辺でおひき取りを願って――おお、そう、戸田