Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme

Aozora Bunko

風が吹き荒れて来た。野に低く雲がおりて目路を蔽った。青い草の海は逆巻くのだ。行く手にふさがる樹林や丘陵は測りがたい悪路を示していた。

「日も傾きはじめた」と云うのは戸田老人であった。真実行く手の困難を案じた年長者が、それとなくあたえる注意であった。

「人夫どもに聞けば、用意の糧食も残り少ないとか」

「それというのも、貴様がよい加減なことを申し、安うけあいをしたためだ」

玉目三郎はそう云った。すると案内人も、ここまで来ればなかなか負けてはいなかった。

「ま、誰にでも、間違いということはありまさア――山は見えたじゃござんせんか」

「そう――山は見えたり、だ」と大野順平は笑った。

阿賀妻は磁石と照して野のはてを見入っていた。

「あの木――あの盛りあがった樹木のなかに一本黒く見える松の木、お判りか?」

その方向に一先ず目標を置いて、この野を横切れと命じていた。

浮き沈みして、草の海を泳ぎ抜こうとする一行であった。

見ず知らずの山野を踏みわけて、夢にも描かぬ土地を探している彼ら自身は、ふっとその姿を、どこか遠いところから見おろしていた。行けども行けども湿っぽい土であった。