Japanische Klassiker mit Furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme
数年前までには風の便りにも耳にしたことのない土州とかの身分卑い武士が、時の勢いに乗って――乃至は権勢家のふところにとびこんで、それが支配者としてこの土地に現われているというのだ。何か、反撥する肌のにおいを感じていた。そのものと同席することさえ、考えるだけでも容易ならぬ努力であった。事実はそれよりもっとひどかった。被支配の立場にあって悃願仕らねばならぬと云うのだ。身ぶるいを感じ、悪感を覚えた。それさえ侮辱であるのに、拒否されたとしたならば――そのときの煮えくりかえる自尊心の持って行くところを、邦夷は知らずに、そこに家臣の挺身を要求していたのである。大丈夫か――と念をおした。――それを云われた家臣は大丈夫です、決して、と、公然と、何の躊躇もなくそう答えた。
すべてあたりまえのことであった。だが、それにも拘らず、彼らの父祖がそうであったようにはすらりと通じて来ないものがあった、――と、そういう考えが考えのなかに浮んで、そして彼らは――主君であるものも家臣であるものも、その考えの前に足ぶみしていたことにびっくりする。
「申して出れば、なんの憚るところがあろう――」