Japanische Klassiker mit Furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme
命を受けた家中のものは、その言葉をかみしめながら船員の詰所にあらわれた。
起きぬけの火夫は不機嫌に云った。
「またか?」
「はい」と、たずねる方は何故かへり下った気持になっていた。彼は微笑さえ浮べて云うのだ、「さようでございます、またでございます、修理はどの程度はかどりましょうか」
「四五日だ」
「四日目でございましょうか、五日目でございましょうか」
「四日か五日目だ、ひょっとしたら十日目になるかも知れん」
彼ら自身にもはっきりした見透しはなかった。石ノ巻から呼び寄せた船大工がようやく到着したところであった。
貨物にした荷は潮水に浸されていた。それらは一旦陸揚げされた。ここにこうして滞在している間に、手入れの出来るものは手入れをした方がよかったからである。いろいろな思いを込めて、これだけはと持ちだした器物や衣類にも海の水が浸みてしまったのだ。
女どもはこの上涙をこらえることは出来なかった。親ゆずりである繻珍の丸帯をひろげて頽れた模様の上に泣き伏した。それでも思いかえして、裏の井戸に行き清水にすすいでみた。
「来るんじゃなかった、来るんじゃなかった――」と彼女は山に向って独りの繰りごとに泣きじゃくっていた、「親の云うことを守らなかった罰であろ、罰であろ」