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Japanische Klassiker mit Furigana

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いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme

Aozora Bunko

と高倉は唇をゆがめるようにして云った、「気の毒だが、ここにはおられぬ」

「へえ」

「何かご用か? いずれ商人どもの用というならば」

高倉はいくらか見下げた口調でそう云った。商人は首を振って遮った。

「どちらにお出かけになりやした?」

「どこに行こうと、手前らに関係はない、何か用か?」

「用ですとも」

言下にそう云われて高倉はどきんとした。

「どういうご用か?」

「会えばわかるんだ、大切な書状をあずかっているんだがね」

「どら?」

そう手をだした高倉から、商人は一足うしろにとび退った。今や彼には相手のこづら憎さがはっきりした。よく見ると、これは、前髪がやっと落ちた青ざむらいであった。さむらいと思ったから、そういう横柄な云い方にも我慢したのだ。けれども、考えてみれば、今ではさむらいも百姓も無い。こんな青二才を、むざむざ威張らせる手はなかった。同時に彼は、はいはいとこれを渡したならば、商売のひっかかりが無くなってしまいそうな気がした。

「と、云って、あなたさまは、誰方でございますか」

「身どもは、この家中のもの、高倉祐吉と申す――どれ?」

「それにしても」と商人はふところを抑えて云った、「相田さま直き直きにお渡ししろ――と、イシカリ役所の官員さまに仰せつかりまして、――つまらぬ旅あきんどながら、そう頼まれてみますと、何しろ」