Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme
「なかなか――」
「これがわれらのトウベツの水」
「はッは」
「云われました、ようこそ」
それでは――と、大きな鉄瓶から熱い湯を茶碗に注いで、がやがやとうしろに送った。
松岡長吉らはそういう騒ぎのところに帰りついた。
深夜の風とともにひやりとはいって来た。提灯を吹き消して額の汗をぬぐった。
「お連れしました」と、彼は正面の相田に云って戸外をふり返った、「どうぞ、――」
「ご苦労、ご苦労――」
相田清祐は草履をつっかけて土間に立った。この時刻に、ようこそ役人を連れてまいった、これで解決はついた――彼はそう勇み立っていた。
羽織袴ではいって来たのはあの役人であった。彼が鋸屋に書面を托したのだ。彼はその男の泊った諸国商人宿の主人を呼びだした。たらば蟹のような顔をした宿屋の主人は眼をしばだたいた。進んで同行しようと云うのであった。哀しみは、顧客を喪ったことだけではなかった。季節になるとやって来る行商人は――たとえば、富山の薬屋にしても堺の刃物屋にしても、それはそれだけで深い仲間をつくっていた。寝る場所も、あの町ではあの宿、この湾ではこの旅籠と決っていた。その界隈を商い歩く間、宿屋は彼のうちであった。