Japanische Klassiker mit Furigana
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ひぶん
碑文
豊島 与志雄
Lesen Sie 碑文 (ひぶん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.294 Zeichen · 27 Bildschirme
おや、目玉だけの眼です。
目玉だけの眼は、四方八方を見ています。いや見てるのではなく、向いているのです。開いてるのです。四方八方に向いて開いてる眼です。
その眼は、澄んでるのか、濁ってるのか、全く分りません。そんなことは問題でありません。ただじっと開いてる眼です。
何を見てるのでしょうか。いや、見てるのではありません。おのずから見えるのです。見通し見抜く鋭い眼ではなく、ただ何でも見える眼です。
何物でも、何事でも、その眼に映ります。いくら映っても、その眼は一杯になることがありません。底なしの眼です。次々に、あらゆることを見て取ります。見て取って、それをどうしようというのではありません。ただ見て取るだけです。
だから、なんという豊富さでしょう、なんという知識の堆積でしょう。然し、ただそれだけのことです。それを利用すれば、商売は儲かるでしょう、出世は出来ましょう。然し、それを消化して血肉にまで生かことは、出来ないのです。それは石ころを寄せ集めたようなものです。
そのような眼です。それが一つ処にいつまでもじっとしています。
重いのでしょうか、死んでるのでしょうか。