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Japanische Klassiker mit Furigana

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そぼのために

祖母のために

宮本 百合子

Lesen Sie 祖母のために (そぼのために) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.632 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

この恐怖は、祖母の葬送前後著しく私を悩した。それを考えると、自分の健康なのが却って重荷のようで、涙が出た。私が先に死ぬのであったら、一番よい。愛する者を次々に送って、最後に自分の番になる寂寥を思うと殆ど堪え難く成った。

日数が経つと、そんな感情の病的に弱々しい部分は消えた。私は再び自分の健康も生も遠慮なく味い出した。私はやはり日向で、一寸したことに喜んで、高い声をあげてはあはあと笑う。

祖母は、水に棲む貝で例えれば蜆のような人であった。若し蜆が真珠を抱くものとすれば、それは私に対して持ってくれた一粒の愛だ。

通夜は賑やかであった。私は眠れず、二晩起き通した。人々は、種々雑談した。自分も仲間に成って話しながら、そこに祭られている当の祖母について誰一人何の思い出らしいものをも話さないのを侘しく感じた。祖母は全然逸話を持たない人であった。私の心に甦って来る事々も、皆、祖母自身から聞かされた、第三者には何の興味もない世帯の苦労話ばかりだ。例えば、祖母の右の腕は力がなく重い物が持てなかったその訳とか、姑で辛い思いを堪えた追憶だとか。出入りの者などはそれさえ知るまい。