Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくはい

祝盃

菊池 寛

Lesen Sie 祝盃 (しゅくはい) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.843 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

幾年振りかに上京した青木には、いろ/\な感慨が、胸の中にこみ上げているのかも知れなかった。が、啓吉は青木を送った後で、久野と二人で、青木のことについて、話して見たいという要求が、かなり強く感じられた。が、青木は自分一人だけ、別れて帰りそうには見えなかった。

「君は、この電車に乗ったら、乗換がないのだろう。」

啓吉は、悪いと思ったが、つい/\口が滑ってしまった。青木はやっと帰るのを決心したように、

「そうだ! じゃ失敬しようかな。」と、いったまゝ、さすがに、しんみりと、

「もう会わないかも知れないよ。明日中に立つ筈だから。」と、いった。

その小柄な身体を、聳やかして、電車に乗る後姿を見ていると、啓吉の心にも、旧友に対する純な感情が、こみ上げて来るのだった。

青木を見送ってしまうと、久野も啓吉も、解放されたようにホッとした。久野は今迄とは別人のような軽い口調でいった。

「おい! ソーダ水でも飲もうじゃないか。」

「うむ飲もう。」

啓吉も、久野の気持が分った。二人とも青木についての感慨を話して見たかったのだ。

つい近くのカフェーの卓に向うと、久野はウェイトレスが持って来たソーダ水を、お役目のように、すゝりながらいった。