Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

幽かながらもジーッという音! ポーッと立ったは糸のような煙り! 小穴がまたも開いたものである。

怪奇な光景と云わざるを得ない。

龕から射している他界的の光、その中に立っている女方術師、背後で燃えている唐獅子型の火炉、その上に滾っている巨大な釜、……そうしてキラキラキラキラと、黄金の杖が輝いている。そうしてその杖の尖端から、水銀色の滴が落ち、落ちると同時に煙りが立ち、碁盤形の石畳へ穴を穿ける。

怪奇な光景と云わざるを得ない。――

桔梗様には夢のようであった。魘されていると云った方がいい。何が何んだか解らなかった。解っているのは次のことであった。

夕方叔父の屋敷から出て、隅田の流れを見ていると、突然背後から猿轡を噛まされ、おりから走って来た駕籠に乗せられ、誘拐されたということである。誘拐されたと感付いたので、小指を食い切り血をしたたらせ、懐紙へそのことを認めて、持ち物へそれを巻き付けて、幾個か落としたということである。

三十三

「それでは妾を誘拐したのは、雌雄二匹の永生の蝶々の、ありかを云わせようためだったのか。……でも妾はありかは知らない。