Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme
「合点」と答えたのは六人である。もちろん掠めた声である。
眼の前に一宇の建物がある。厳重に雨戸で鎧われている。そこは怪盗七福神組だ。そこまで素早く走ったが、神妙を極めた潜行ぶりで、葉擦れの音も立てなければ、足音一つ立てなかった。
と、松代だがピッタリと、雨戸へ耳を押しあてた。
「どうやらここは図書庫らしい。人の気勢が感じられない。紙魚くさい匂いばかりが匂って来る」すなわち六感で感じたのだろう。「さあさあ、向こうの建物へ行こう」
そこで七人また潜行し、もう一つの建物までやって来た。と、ピッタリ弁天松代は、雨戸へ耳をおっ付けたが、「ここには四五人人がいる。だが一人も女はいない。何んとなく刀気が感じられる。これは武器庫に相違ないよ。随分沢山蔵ってあるらしい。これがいつもの私達だったら、決して決して見逃しては置かない。踏ん込んで行って攫うのだが、今夜はそうしてはいられない。攫うものが他にあるのだからね。……さあさあそれでは向こうへ行こう」
行手にあたって林がある。と云っても楓の植え込みである。林のように繁っている。月光を遮って闇である。その右手に建物がある。