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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

やるところまでやるとしよう」駕籠へはいると声をかけた。

「おやり! 急いで! 一生懸命!」

海岸を伝って一散に、駕籠を囲んで田安家の武士達は、芹沢の方へ走ったが、駕籠の中では北王子妙子が、不安そうに呟いていた。

「船! ……あのお方! ……手も足も出ない!」

だが本当にそんな船が、そんな恐ろしい人物を乗せて、海上を渡って来るのだろうか?

妙子の透視には狂いがなかった。

遙か離れた海上を、一隻の船が帆走っていた。

四十一

船首には老婦人が立っている。

悠然と行手を眺めている。

と、老婦人が声をかけた。

「これこれ鯱丸、どうしたものだ、眠ってはいけない、起きたり起きたり」

「阿呆らしい」とすぐに返辞が来た。「何んの眠ってなんかおりますものか、こんなに大きくパッチリと、眼をあいているじゃアありませんか」こう云ったのは少年である。船尾の方に坐っている。青い頭の小法師である。年はようやく十四、五らしい。可愛い腰衣をつけている。帆をあやつっているのである。

その帆であるが変わった型で、三角型のものもあれば、菱形をなしたものもある。一本の丁字形の帆柱に、鳥が羽根でも張ったように、風を孕んで懸かっている。