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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

どうやら大岩の向こう側から、こっちを目指して来るらしい。一人や二人の人数ではない。十五、六人の人数である。

「一ツ橋家の侍ども、ははあさてはやって来たな。さてどうしたものだろう?」――こうなっては他に思案もない。逃げるかもしくはぶつかるばかりだ。「どうなるものか、ぶつかってしまえ」

早くも決心した一式小一郎は、素早く四辺を見廻わしたが、足場を計るためだろう。「ちょうど幸い大岩がある。こいつを早速楯として、構うものか、叩っ切ってやろう」

及び腰をして待ち設けたが、それとも感付かぬ岩向こうの人数、ガヤガヤ喋舌りながら近付いて来た。その時小一郎は声をかけた。

「ご用心!」とまず一声! それから凛々と云ったものである。

「あいやそこへ参られたは、南部集五郎殿をはじめとし、一ツ橋殿のご家中でござろう。その目的は昆虫館探し、何んとさようでござろうがな」ここでちょっと言葉を切り、先方の様子を窺った。

と、ひどく驚いたらしく、足音が止み声が絶えた。がすぐ南部集五郎の、物々しい声が聞こえて来た。

「そういう貴殿は何者かな? いかにも我々は一ツ橋家の家臣!」

そこで小一郎は声を上げた。