Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

自嘲的にならざるを得なかった。

「何をお笑いなさいます?」君江はちょっとばかり怪訝そうに訊いた。

「騎士よ、騎士よ、ハッハッハッ、こんな言葉を覚えましたので」

「綺麗な言葉でございますこと」

「その癖中身はからっぽで」

「どういう意味なのでございましょう?」

「恋人の前へ跪坐き、恋人のお手々を頂戴し、そのあげくお手々をふんだくられ、ひどい目に会わされるさむらいの、毛唐語だそうでございますよ。云ってみればちょうど拙者のようなもので」

「可哀そうな可哀そうな可哀そうな騎士!」

「可哀そうな可哀そうな可哀そうな拙者!」

「でも、妾なら裏切りません」

「また拙者にしてからが、あなたの前では跪坐きません」

「好きでございます、そういうお方こそ。……女を認めないで虐めるお方! 本当の男でございます」

二人の旅はつづいて行く。

ふと小一郎は気になった。

「ご両親はご承知でございましょうな? あなたが拙者と住むことを?」

「妾、勘定に入れませんでした」

「ああ」と思わず小一郎は、嘆息の声を筒抜かせた。それから口の中で呟いた。「何も彼も一切反対だ、あの桔梗様とこの君江とは」

二月である。野は寒い。