Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme
道場の主人は一式小一郎で、君江と二人で住んでいる。一人甚吉という下男がいる。内弟子もない質素な住居――と云いたいがそうでもない、いろいろの人間が集まって来た。浪人、遊び人、小旗本の次男、仲のよい田安家の友人達、安御家人やごろん棒、剣術好きの町家の番頭、それから勇みの鳶の者。
鐘巻流剣道指南。
門に看板が上がっている。
時々竹刀の音もするが、それより無駄話や高笑いの方が、一層繁く聞こえて来た。
剣道指南所というよりも、倶楽部と云った方がよさそうである。
「父親から仕送りが来るんだよ、束脩や月謝なんか宛にするものか」
これが小一郎の心持ちであった。
父清左衛門云って曰く、「どうせお前は次男の身分だ。養子に行くか別家するか、どうかしなければならないのだが、どっちもお前には適しないらしい。戦国の世にでも産まれたら、小城の主ぐらいにはなれたかもしれない。ちょっと当世には向かない性だ。遊侠の徒になるもよかろう。町道場をひらくもいい。好きな娘とくらすもいい。そうしてそうやってくらしていることが、やがては君侯田安家のおために、ならないこともなかろうからな。いろいろの人間と交わって、沢山同志をつくるもよかろう。