Japanische Klassiker mit Furigana
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しんろのまき
神鷺之巻
泉 鏡花
Lesen Sie 神鷺之巻 (しんろのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.672 Zeichen · 54 Bildschirme
むしりたい、切って取りたい、削りたい、身体中がむかむかして、しっきりなしに吐くんです。
無理やりに服まされました、何の薬のせいですか、有る命は死にません。――活きているかいはなし……ただ西明寺の観音様へお縋りにまいります。それだって、途中、牡丹のあるところを視ます時の心もちは、ただお察しにまかせます。……何の罪咎があるんでしょう、と思うのは、身勝手な、我身ばかりで、神様や仏様の目で、ごらんになったら。」
「お誓さん、……」
声を沈めて遮った。
「神、仏の目には、何の咎、何の罪もない。あなたのような人間を、かえって悪魔は狙うのですよ。幾年目かに朽ちた牡丹の花が咲いた……それは嘘ではありますまい。人は見て奇瑞とするが、魔が咲かせたかも知れないんです。反対に、お誓さんが故郷へ帰った、その瑞兆が顕われたとして、しかも家の骨に地蔵尊を祭る奇特がある。功徳、恭養、善行、美事、その只中を狙うのが、悪魔の役です。どっちにしろ可恐しい、早くそこを通抜けよう。さ、あなたも目をつむって、観音様の前へおいでなさい。」
「――ある時、和尚さんが、お寺へ紅白の切を、何ほどか寄進をして欲しいものじゃ、とおっしゃるんです。