Japanische Klassiker mit Furigana
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わたくしたちのけんせつ
私たちの建設
宮本 百合子
Lesen Sie 私たちの建設 (わたくしたちのけんせつ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.430 Zeichen · 107 Bildschirme
最低として四百五十円がきめられたのであってみれば、実際の給料の大部分は、決して其額にも達していないことを物語っている。五百円の最高給料というとき、まして其がモラトリアムの下では、全人口の僅か何割かを占める少数者の給料を代表していることが発見されるのである。
一軒の世帯主が婦人であることは、今日ざらだと思う。戦死者の未亡人、まだ帰って来ない軍人、海外在留民の家庭が、婦人の勤労によって支えられていることは普通としなければなるまい。この場合、最低百五十円と、男の三分の一にきめられた婦人の差別的な賃銀は、モラトリアムになってさぞ暮し難かろうからと、男子並に引上げられるものと、想像する人があるだろうか。
手持現金は一人宛百円ずつ家族の頭数だけ新円に代えられるということで、隣組に登録されることとなった。このとき、私たちの周囲には、どんな現象が起っただろうか。六人家内の家庭で、旧円が使える間の生計費をさしひいたあと、現金で六百円並べてすぐ代えた人が多いか。それとも、人数を掛けただけの百円を揃えかねた人の方が多かったか。
一人宛百円ずつ預金を引出せるときくと、その金は、誰にでもあって、誰かがちゃんと私たちのために用意してでもいてくれそうな錯覚をもちかねない。