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Japanische Klassiker mit Furigana

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わたしのりれきしょ

私の履歴書

井上 貞治郎

Lesen Sie 私の履歴書 (わたしのりれきしょ) von 井上 貞治郎 (いのうえていじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.380 Zeichen · 69 Bildschirme

Aozora Bunko

初めの奉公先を飛び出した十五のころ、汽車賃が足らず伊勢参りをやめて横浜へ流れたとき、木曜島に売り飛ばされる寸前、香港で阪大佐太郎に救われたあの日。まるで鉛筆を立てて、その倒れぐあいで人生航路を決めていたような私だったが、私と段ボールとをつなぐ見えない糸はいつもたぐられていたのであろうか。

段ボールを手がけてからは、人生のサイコロの目は、まずまず順調に出た。しかしそれまでの私はなんと遠回りをしたことだろう。そんなとき「寝れば一畳、起きれば半畳、五合とっても三合飯」という明るさと『いまにえろなったるぞ』との人一倍の意欲が、私の力になった。――話をさらに二十年ほど戻して、私のふるさとの村へ返そう。

播州平野に流れる揖保川は鮎の産地として名高い。私はその揖保川の堤から二、三町ばかり行った百戸ばかりの一寒村で、農業を営む長谷川家の三男坊として生まれた。戸籍では明治十五年十月三日生まれとなっているが、実は明治十四年の盆踊りのあった翌朝のことだったという。二歳のとき、当時は家系の跡つぎは鎮台(兵役)をのがれる特典があったので、米二俵を持って遠縁の井上家の死籍相続人になった。