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Japanische Klassiker mit Furigana

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わたしのはは

私の母

堺 利彦

Lesen Sie 私の母 (わたしのはは) von 堺 利彦 (さかいとしひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.425 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

母はまた、観音様信仰で、毎晩お灯明をあげては、口の中で観音経か何かを誦しながら拝んでいた。そして毎月十七日の晩には、必ず錦町の観音堂に参った。私も必ずそのお供をした。その晩、観音堂では、三十三体の観音様に一々灯明を供えて、いかにも有難そうに見えていた。私は、(後に記す通り)仏教に対してはあまり同情を持たなかったが、母の故を以て観音様は少し好きだった。

今一つ母についての思い出。これはよほどまだ私の小さい時のこと。私が炬燵の中で――母と私とが一緒に寝る広い寝床の中で――目をさますと、母は既に起き出でて竈の前で飯を炊いていた。私が何か言うと、「起きたかな、お目ざましをあぎょう」と言って母は竈の熱灰の中に埋めておいた朝鮮芋を取りだして、その皮をむいて持って来てくれた。黄色い美しい芋の肉から白い湯気がポカポカと立っていた。どうして、こんな光景が、特に私の記憶に残っているのか分らないが、恐らくその蒸し焼の芋の味が特別にうまかったのだろう。

今一つ、これは私が母に対する唯一の反感。ある時、私が何かのことで、さんざん母にグズっていた。母も大ぶん怒って私を叱っていた。