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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.638 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

と、眉をひそめさせた程とあるから、よほどひどかったものらしい。

これを見た顕家の傷心はいうまでもなかった。彼が、宗良と義良の両宮にお別れしたのもそのためではなかったか。また前途に、新たな困難や苦戦が予想され出していたのも、ひとつには、この救い難い現象にもあったろうか。

しかし、暴兵化した暴兵にもまた一種の強さはある。

顕家はよくその豼貅(中国で昔、飼い馴らして戦陣に使ったという猛獣)を上手に用いたらしい。和泉、河内の野に転戦してからも、彼の軍は、行く所で勝った。

そして、天王寺の敵、細川顕氏を破って、そこを占領したのは三月八日で、その八日九日は、ひどい雨だった。

雨の京都は、この報で、

――京中、動乱シテ、恐怖、流言、極マリナシ。〔官務記〕

の状だったという。

けだし、天王寺の陥落は、淀川の線に沿って、すぐ京都をおびやかしうる体勢を敵が持ったことを意味するからだ。

しかも、この優勢に加えて、顕家の弟、北畠顕信もまた、男山に進出していた。その男山八幡の上からは洛内の屋根も見える。「官務記」が記したことも、あながち誇張ではなかったろう。

「すわ、抜かったり」