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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.638 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

「西台をとらえて来い」

と、命じたとある。

しかし高貞は、寸前に、一族郎党をひきつれて、自領の出雲へ落ちのびた。

ところが途中、幕府の討手に追いつかれて、西台は、播磨のほとりで自害し、また高貞も、失望の極、自刃してしまったというのである。

これは「太平記」だけにみえる師直誹謗の一話で他書にはない。どうも罪な作為をしたもので、つまりこれが後世の「忠臣蔵」の中に戯作化され、いよいよ好色漢師直の名を、百代に高からしめる所以となったものである。

すべて、師直にとって濡れ衣であることは、どこからでも指摘できる。

けれど半分は事実でもあろう。――塩冶高貞は、一たん後醍醐に忠仕し、後に武家方へ降参していた大名なので、そのごも、ひそかには吉野朝廷の方へ心を通わせていたあとがある。

真相は、それが露見したので、俄に、出雲へ帰国したのだった。その証拠には、彼の出奔を幕府へ密告した者は、彼の弟の塩冶四郎左衛門だった。また討手も、幕将の山名時氏と、桃井直常とが追撃して行ったのだ。ほとんど色事には関係がない。

ただ、ここでも考えさせられることは、新田義貞における勾当ノ内侍のように、高貞も宮中の女子を恩賞にもらっていたことである。