Japanische Klassiker mit Furigana
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あきのおやくそく
秋のお約束
小川 未明
Lesen Sie 秋のお約束 (あきのおやくそく) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 980 Zeichen · 2 Bildschirme
まあちゃんが、「寒い、寒い。」といっていましたときに、お母さんは、子供たちのきものをぬいながら、
「もう、あちらのけやきの木の枝がいろづいたから、じきにあたたかくなりますよ。」と、おっしゃいました。
まあちゃんは、お母さんにつれられて幼稚園へまいります途中、ふと頭の上をあおぎ見ますと、うす緑色のやわらかなこまかな葉が、いっぱいけやきの木の枝から出て、おもしろそうに笑っていました。
「お母さん、あんなに葉が出た。」と、いつかお母さんのいわれたことを思いだしたのです。
「ほんとうに、かわいらしい葉だこと。」と、お母さんはおっしゃいましたが、いつか、まあちゃんに、
「もう、あちらのけやきの木の枝がいろづいたから、じきにあたたかくなりますよ。」といわれたことは忘れられてしまったように、まあちゃんには感じられました。
ある日、金魚売りが、あついので、この大きな、けやきの木のかげに荷をおろして休んでいました。まあちゃんは、ひとり幼稚園からの帰りに、じっと立ちどまって、金魚があさい水に泳いでいるのをながめたのです。
また、夏のあつい日のこと、兄さんの正ちゃんのおともをして、せみをとりにあるいたとき、兄さんからかごを持たされて、この木の下に立ったことがあります。