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Japanische Klassiker mit Furigana

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あきのしゅぜんじ

秋の修善寺

岡本 綺堂

Lesen Sie 秋の修善寺 (あきのしゅぜんじ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.167 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

という制札を立ててあって、後の月見の材料にと貯えて置くものと察せられた。宿に帰って朝飯の膳にむかうと、鉢にうず高く盛った松茸に秋の香が高い。東京の新聞二、三種をよんだ後、頼家の墓へ参詣に行った。桂橋を渡り、旅館のあいだを過ぎ、的場の前などをぬけて、塔の峰の麓に出た。ところどころに石段はあるが、路は極めて平坦で、雑木が茂っているあいだに高い竹藪がある。槿の花の咲いている竹籬に沿うて左に曲ると、正面に釈迦堂がある。頼家の仏果円満を願うがために母政子の尼が建立したものであるという。鎌倉の覇業を永久に維持する大なる目的の前には、あるに甲斐なき我子を捨殺しにしたものの、さすがに子は可愛いものであったろうと推量ると、ふだんは虫の好かない傲慢の尼将軍その人に対しても一種同情の感をとどめ得なかった。

更に左に折れて小高い丘にのぼると、高さ五尺にあまる楕円形の大石に征夷大将軍左金吾頼家尊霊と刻み、煤びた堂の軒には笹竜胆の紋を打った古い幕が張ってある。堂の広さはわずかに二坪ぐらいで、修善寺の方を見おろして立っている。あたりには杉や楓など枝をかわして生い茂って、どこかで鴉が啼いている。