Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅうざんず

秋山図

芥川 竜之介

Lesen Sie 秋山図 (しゅうざんず) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.580 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

今でもはっきり覚えていますが、それは王氏の庭の牡丹が、玉欄の外に咲き誇った、風のない初夏の午過ぎです。私は王氏の顔を見ると、揖もすますかすまさない内に、思わず笑いだしてしまいました。

「もう秋山図はこちらの物です。煙客先生もあの図では、ずいぶん苦労をされたものですが、今度こそはご安心なさるでしょう。そう思うだけでも愉快です」

王氏も得意満面でした。

「今日は煙客先生や廉州先生も来られるはずです。が、まあ、お出でになった順に、あなたから見てもらいましょう」

王氏は早速かたわらの壁に、あの秋山図を懸けさせました。水に臨んだ紅葉の村、谷を埋めている白雲の群、それから遠近に側立った、屏風のような数峯の青、――たちまち私の眼の前には、大癡老人が造りだした、天地よりもさらに霊妙な小天地が浮び上ったのです。私は胸を躍らせながら、じっと壁上の画を眺めました。

この雲煙邱壑は、紛れもない黄一峯です、癡翁を除いては何人も、これほど皴点を加えながら、しかも墨を活かすことは――これほど設色を重くしながら、しかも筆が隠れないことは、できないのに違いありません。しかし――しかしこの秋山図は、昔一たび煙客翁が張氏の家に見たという図と、たしかに別な黄一峯です。