Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
英夫の言葉がおわらないうちに、
「あっ! あの音――」
祥子が叫ぶと同時に、ボートが爆風をくった板きれのように、すさまじい力で叩きつけられ、ぐるぐると渦巻のように廻転したかと思うと、もんどり打って海面にとび上った。
轟然――海底要塞は大爆発したのだ!
しばらく、二人はくらくらと目まいがして何も見えなかった。
やがて――気がついて見ると、ボートは波のまにまに揺られ、さんさんとあかるい日光が扉の小窓からさしこんでいた。
瑠璃色の南国の青空が色ガラスのように眼に映った。
「何の音でしょう」
祥子が聞き耳をたてた。
轟々と、津浪のような海鳴りが、ボートの船体までもふるわせている。
「海底要塞の爆発で、大きな渦巻がおこったんだね」
そういえば、ボートもはげしい潮流におし流されているように、かなり早い速度で海面を引きずられていた。
「趙もこんどだけは助からなかったでしょうね」
祥子がいった。
「いくら悪運が強くたって、あの爆発じゃあ助からないさ」
いままで気がつかなかったが、ボートには展望鏡がついていた。英夫は、さっそく、ハンドルをまわしてのぞいて見た。
まっさおな空と、紺碧の海――轟々と未だに振動が伝わって来る大事件がおこっていようとは思われないような海が、はるばると見渡される。