Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
「兄さんは来なかったんですか?」
「なに、謙一君か、はっはっは」
「ふっふっふ」
二人の大尉は顔を見合わして笑った。
「英夫、こっちだよ、兄さんの顔を忘れてしまったのか」
ふりかえると、インド人がまっ白い歯を見せて笑っていた。
「あっ! 兄さん」
謙一は、すっかりインド人になりきったような扮装をしていた。
「やあ祥子さん、しばらくでしたね、くわしい話はあとにして僕の部屋へ行こうじゃないか、平林も鳥尾も一緒に来んか」
「行こう」
艇長にそこで別れると、
「ビルマの方に行っておったもんだから、平林や鳥尾にもきょうはじめて会ったくらいだよ……ところで祥子さんはマレーの叔父さんの居所を知ってますか?」
謙一が英夫と祥子にいった。
「バトパハにいましたけど、いまはどこにいるんでしょう。探してみるつもりですわ」
「あすこにはいませんよ、あのへんは戦場だったんですから日本人なんか一人だっていられるわけがないんです」
「えっ! じゃあ、訪ねて行ってもむだなんですの」
「いや、いることはいますが、あすこにはいません、だが祥子さんが訪ねて行かなくっても叔父さんがこっちへやって来ますから安心なさい」