Japanische Klassiker mit Furigana
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ちごほうし
稚子法師
国枝 史郎
Lesen Sie 稚子法師 (ちごほうし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.609 Zeichen · 16 Bildschirme
翌朝館へ駆着けた時は既に納棺も済んでいた。昨夜の有様を披露した後、急いで厩舎へ走って行き、二頭の馬を索き出すと、まだ十足とは歩かない中に二頭ながら倒れて呼吸絶えた。
神妙の殉死と云わなければならない。
二
「今はならぬ!」と明瞭りと先生から殉死を止められた主水は、心ならず、新主に仕えた。
誰がために見せる前髪ぞと、蘇門の百ヶ日が済んだ時、彼は惜気無く剃り落した。英落点々白芙蓉、紅も白粉も剥ぎすてた雅びて凛々しい男姿は又一段と立ち勝って見えた。
蘇門ほどではなかったけれど、新主も賢明の人物であった。先考の愛臣というところから自然主水へ眼をかけた。従って同僚には嫉妬された。
「稚子侍の分際で……」勿論陰では公然に、而て時々は面と向かって同僚達は嘲笑った。彼には夫れが耐えられない。
不快の間に三年を経た。其時勘忍の緒を切らした。
城外八沢の橋の上で日頃怨ある同僚二人を決闘の後討取ったのである。彼も数ヶ所の薄手を受け、返り血を浴びて紅斑々髻千切れた凄じい姿で目付衆の屋敷へ宣り出た、切られた二人の其一人は、家老宮地源左衛門の四男、もう一人は大脇文右衛門の二男で文右衛門は功労ある地方奉行であった。