Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme
四三 カフェー・アブナイ
妾の花子は、不意に、
「課長はん」と呼びかけて、発言を求めた。
「わたしは、みんなが市長はんを排斥するのは間違っていると思いまんな。あの人は大阪市の恩人やと、わたしは思いまんね」
「えらい市長に肩入れしたもんやな」
松島は花子をひやかした。
四三 カフェー・アブナイ
挿絵43
芸者の花子はなお加えた。
「私は無学だっせ、人の妾せな今日の日が送れぬ貧乏人だっせ、しかしな、私はどうも市長さんの言うことがほんまだと思いまんね。煙筒を立てて何万人の病人を毎年造り出すことは大きな間違いだっせ。その点は、私はうちの旦那と反対だんね。私は旦那に縁を切られてもかまいまへん、大阪の煤煙防止の運動には大賛成です」
「顔のお白粉がよごれるから反対するのだろう」と松島が茶々を入れる。
「わたしはまだ市長さんに一度も会ったことおまへんけど、しかし、うちの旦那の考などは、あまり金儲けばかりに片寄っていると、わたしには思われまんな……、私だって、安治川のお嬢さんのように女学校でも卒業して、相当の教育を受けておったら、こんな妾奉公なんかしないで、中央公会堂で演説の一つもしまんな」
お花が美しい口から、市長賛成演説をするものだから、一座は白け渡って、誰一人反対を打つものもない。