Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme
煙を断たぬその前は、初児の肺炎嘆くとも、何にもならぬことじゃいな」
「お染様、お染様、あなたはやっぱり山家へお帰りなされて下さりませ」と、はやす人間がある。
お染さんは平気で韻律演説を続ける。
「心中者よとさげしまれ、末いつまでもはやさるる、箱入娘のお染とて、血も肉もある者なれば、世界改造遂ぐるまで、プロレタリアの旗下に、つどい集まる人々や、恋の自由のそのために、倒るるものの守護者となり、いざ解放の門出して、空中征服しようわいな」
二階の青年は大声で「美いところ! 」と叫ぶ。
お染はなおもつづけて、
「強く生くるも恋のため、煤煙防止も恋のため、可愛い夫のひとり子を、煙のために肺炎で、死なす心配ないように、尽す心ぞ浪華津の、女の務と思えばこそ、また今の世に立ちもどり、煙に草木も枯れ果てて、雄花雌花も打萎む、野崎の里の亡霊と、なったお染が執念は、凝って籠って人のため、心中ごころの一念に、煤煙防止を説くわいな」
こう言うてお染は掻き消すごとく姿を隠してしまった。
八千人に近い聴衆は、酔えるがごとくお染の声に聞き惚れていたがお染の姿が忽然と消えたので、
聴衆は種々と叫んだ!