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Japanische Klassiker mit Furigana

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くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん

空中漂流一週間

海野 十三

Lesen Sie 空中漂流一週間 (くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.324 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

思わざる怪影

「ああっ、――」

豪胆をもって鳴る「火の玉」少尉も、全く思いがけないこの不意打には、腹の底から大きな愕きの声をあげた。

闇夜の空を漂流中のゴンドラの中には、彼ただひとりがいるばかりだと思っていたのに、意外にも意外、突然マイクを持つ手首をぎゅっと掴まれたのだから、この愕きも尤もであった。

「だ、誰だ!」

味方か、敵か?

「火の玉」少尉がうしろへふりむくのと、彼の左手首のうえに、焼きつくような激しい痛味を覚えるのと、それが同時であった。

「あっ、な、なにをするッ」

といったが、手首は骨まで折れたかと思うようなひどい疼痛で、眼があけていられないくらいだ。でも「火の玉」少尉の眼は、その奇々怪々なる相手の姿をとらえた。

「き、貴様、何者だ!」

怪漢は、白い歯をむきだすと、彼の背後から組みついた。ひどい剛力だった。

「日本人、黙れ。生命が惜しければ、反抗するな」

そういう相手の言葉は、ロシア語であった。

(ははあ、ソ連人だな!)

この闖入者は、さっきもいったとおり、なかなかの剛力だった。そのうえ、「火の玉」少尉は、左手首に不意打をくっていて、いまだにそれが痺れているのだった。