Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん
空中漂流一週間
海野 十三
Lesen Sie 空中漂流一週間 (くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.324 Zeichen · 35 Bildschirme
と、キンチャコフが生意気な抗議を試みた。
「そこまで分っていれば、いいではないか。この気球が下におりるまで、貴様一人で風や雨と闘うつもりか、それとも貴様と俺と二人で闘った方がいいと思うか」
「火の玉」少尉は、話をうまいところへ追込んでいった。
「ふん」
「それが分ったら、ピストルなんざポケットへ収っとくことだ。下手な射撃をして、気球にでも当れば、どういうことになると思うんだ。たちまち気球は火に包まれ、俺たち二人は、火を背負いながら地上に飴のように叩きつけられて、この世におさらばを告げることになるだろうよ」
「……」
「おい、お前は思いきりのわるい奴だな、キンチャコフ。そのピストルなんか収って、これからどうすればわれわれは無事地上に下りられるかを研究して、すぐさま実行にかかるのだ。無駄なことはしないがいい」
そういわれて、キンチャコフはつい兜を脱いだ。彼は不承不承に、逞しい形のピストルをポケットの中に収いこんだ。そして達磨が起きあがるように、身体をごろんと一転させて、「火の玉」少尉と向いあった。
「ははあ、お前がキンチャコフか。だいぶん俺よりも年上らしいが……」