Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん
空中漂流一週間
海野 十三
Lesen Sie 空中漂流一週間 (くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.324 Zeichen · 35 Bildschirme
ものすごい上昇気流が、気球をひっぱりこんだから、たまらない。今の今まで下降一方だった気球は、あべこべにぐんぐん上昇をはじめた。一千メートル、二千メートルは、瞬間にとび越して、まるで地球の外にとんでいってしまうかのように、なおもぐんぐんと雲と雲の間を昇っていった。あたりは、岩窟に入ったように真暗で、そして雹がとんでいた。折々ぴかりとはげしい電光が、密雲の間で光った。
それからどの位経ったか、よく分らない。キンチャコフの方が先に気がついたらしく、そのころ六条は、気息奄々としてゴンドラの底に横たわっていた。キンチャコフが六条を絞め殺そうとすれば、わけないことであったけれど、彼は別になんにもしなかった。それはどういうわけだかよく分らないが、キンチャコフは、もう再び六条を襲うのがいやになったのかもしれないし、或いはまだ鮮血を胸から顔から一杯に彩ったすさまじい六条の姿に怖じ気をふるった結果かもしれなかった。もちろんキンチャコフも、意識だけがよみがえったというだけで、ゴンドラの底に身うごきもしないで転っていることは、六条の場合と大差なかったのである。
「うーむ、よく眠った」