Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あきや
空家
宮崎 湖処子
Lesen Sie 空家 (あきや) von 宮崎 湖処子 (みやざきこしょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.554 Zeichen · 30 Bildschirme
と嘆息しつつ、阿園を見れば、彼はただキョロキョロして家の裏を駈け回り、己が影を逐いてまた立ち回り、「主はいずこに帰ってある」と、憐れのものよ彼はまだ夫の不幸に気づかであるなり、
「オオ兄貴はココに」と、佐太郎は布の包み解きもあえず推しやりぬ、女房は解いて見て夢になり、物言わぬ夫の遺筐を、余人の衣類のごとくしばらく折目をさすりておりしが、やがて正気に復りし時は、早や包みを懐きしめて悶絶したり、げに勇蔵は田原坂の戦官軍大敗の日に、館原の藤吉とともに敵の流れ丸に中り、重傷を負いて病院に運ばれ、佐太郎を死の枕に呼び阿園が再縁のことをくれぐれも頼みて死しぬ、されば佐太郎は気絶したる阿園を呼び回して、勇蔵が遺言と死にざまとを語り、彼が命の価なる三十金を渡し、阿園が尼になるべき余儀なき願いに対しては、十分力を添うべきことを約して、哀れの寡婦を涙の海に残して帰りぬ、
翌朝阿園が里方の父来たり、村人も皆訪い来たれり、父は佐太郎が持ち帰りし三十両を改めて己が手に納め、勇蔵は上より戦場に埋められたれば再び葬式を営むの要なきことを主張し、直ちに阿園を引き取らんと言う、村人も大概その儀を賛しぬ、佐太郎のみさきに寡婦に誓いしごとく、情なき里方の処置に対して寡婦の力となり、一身を投げて彼方此方に奔走し、ようやくにその議を翻し、寺院