Japanische Klassiker mit Furigana
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くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
Lesen Sie 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 95.012 Zeichen · 189 Bildschirme
「呀ッ」
「おお!」人々は、呆然と、其の場に、立竦んだ。
そこへ現われた人物は、紛れもなく、別府司令官であった。
ところが、別府司令官は、直前まで、参謀長を、激しい語調で呶鳴っていた筈だった。おお、これはどうしたことだろう。参謀長の前には、たしかに、先刻から立っている別府司令官が居られるのだった。
二人の、別府司令官。
同じ服装の、同じ顔の、司令官。
どっちかが、贋者であろうと思われる。
二人の司令官の、相違した点は、湯河原中佐の案内した司令官は、軍帽の下から、頭部に捲いた、白い繃帯が、チラリと見えている点だった。
「両手を、おあげ願いたい」
中佐は、室内の司令官の背後に、軍用拳銃の銃口を、さしつけた。
「売国奴!」中佐の傍にいた将校が、イヤというほど中佐の横面を張り仆した。
室内の司令官は、サッと身を、壁際に移した。
「中佐を、保護せい。向う奴は、射殺してよしッ」参謀長は、若い参謀に、早口で命令した。
三人の将校と、二人の下士官とが、室内の司令官を、守った。
若い参謀たちは、勇敢に、彼等に、飛びかかっていった。咄嗟の場合とて、ピストルよりも、肉弾が物を言った。