Japanische Klassiker mit Furigana
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くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
Lesen Sie 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 95.012 Zeichen · 189 Bildschirme
日頃冷静な帆村探偵も、このときばかりは、両頬を、少女のように、紅潮させていた。
「それでは、戸波博士のことは、よくお願いいたしますよ」
「わかりました」司令官は、大きく肯いた。「草津参謀。君は、麻布第三聯隊の一個小隊を指導して、直ちに、お茶の水へ出発せい」
「はいッ。草津大尉は、直ちに、お茶の水の濠端より、不逞団の坑道を襲撃いたします。終り」
「うむ、冷静に、やれよ」
草津大尉は、側らの架台から、拳銃の入ったサックを下ろして、胸に、斜に懸けた。それから、鉄冑を被り直すと、同室の僚友に、軽く会釈をし、静かに扉を開けて出て行った。
闇に蠢くもの
「おい、蘭子氏、えらいことになったぞ」
暗闇の小屋の一隅から、若い男の声がした。
「吃驚させちゃ、いやーよ」
手を伸ばすと、届くようなところで、やや鼻にかかった、甘ったるい少女の声がした。
「いよいよ、これァ、大変だ」
「オーさんたら。自分ばかりで、感心してないで、早く教えてよ」
「うん。もうすこしだ――」
軈て、カチャカチャと、軽い音がした。若いオーさんという男が、頭から、受話器を外したのだった。
「いま放送局から、アナウンスがあったがね、アラスカ飛行聯隊と、飛行船隊とが、共同戦線を張って、とうとう、青森県の大湊要港を占領しちまったそうだぜ」