Japanische Klassiker mit Furigana
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くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
Lesen Sie 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 95.012 Zeichen · 189 Bildschirme
下町の木工場の、貧弱なサイレンも、負けず劣らず、喚きつづけていた。
「呀ッ、電灯が点いたッ」
誰の目も、電灯の光を見上げて、嬉しそうに笑った。ほんとに光りは、人間にとって、心強いものだった。
下町の表通りを、バラバラと駈け出す一隊があった。
「火を消す用意をして下さい。不用な灯は消して下さい。空襲警報ですよォ」
竿竹と、メガフォンと、赤い布を捲きつけた懐中電灯とで固めた一隊が、町の辻々を、練りまわった。
今、帝都は、敵機の襲撃をうける!
浜松の戦闘機隊は、どうしたであろうか。
追浜の海軍航空隊は、既に上空めがけて、舞いあがったであろうか。
立川の飛行聯隊の用意は、整ったであろうか。
東京市民が、醵金をし合って献納した十五機から成る東京愛国飛行隊は、どうしているであろうか。
嵐の前の静寂!
帝都の夜空は、漆のように、いよいよ黝々と更けていった。
空襲葬送曲
非常管制の警報が出たのは、それから三十分ほど、後のことだった。
一等速く、民家に達したのは、電灯による警報だった。
「おい、お妻」と鼻緒問屋の主人、長造は暗闇の中で云った。
「お前、今、時計を見なかったか」